2010年02月17日

【お財布術】「確定申告」編 退職や副業…還付も(産経新聞)

 平成21年分の所得税の確定申告が16日から始まる。源泉徴収や年末調整という形で納税額を計算してくれるサラリーマンには縁がないように思われがち。しかし、不況下の昨年、退職を余儀なくされたり、給与の目減り分を副業で補ったり、心身のバランスを崩して医療費がかさんだり…といった人も少なくない。こうした場合、確定申告で納め過ぎた税金が戻ってくる可能性がある。(太田浩信)

 ≪税の「納めすぎ」≫

 宝田・寿原会計事務所(東京都千代田区)の宝田健太郎税理士は「年収が下がっている人が多いので、納め過ぎた税金が戻ってくる可能性が高い」と話す。

 (1)昨年中途で退職し、再就職していないケース。

 「毎月の源泉徴収は『1年間働くとどれくらいの所得になるか』を想定して天引きしている。例えば8月に辞めると9月以降の収入がない。その分多めに税金が取られているため、申告すれば還付が受けられる」という。

 (2)残業禁止で副業をしているケース。

 宝田税理士は「勤務先の給与と副業の給与を比べると、副業の方が毎月多めに源泉徴収されている。確定申告をする際、それぞれの収入を合算して税率をかけると結構戻ってくるケースがある」と話す。さらに、「原稿料やデザイン料で稼いでいる場合はだいたい10%源泉徴収されているが、打ち合わせで支出した交通費やお茶代、文具費なども経費として差し引くことができるので税金を減らすことができる」。

 (3)株などの投資で損をしたケース。

 損失は3年間繰り越すことができるため、確定申告が必要となる。税金が戻ることはないが、申告しておかないと損失の繰り越しができないからだ。複数の金融商品に投資している場合、全体では損失が上回っていても利益が出ている商品で課税される。このときは損益通算ができる。ただ、株式と株式投資信託なら通算できるが、株とFX(外国為替証拠金取引)ではできないなど、グループ分けのルールがあるので注意が必要だ。

 今年はこのほか、税制改正で株の配当金と譲渡損の通算ができるようになった。株を持っていると配当金から税金が引かれるが、一方で株の取引で損している場合がこれに当てはまる。宝田税理士は「平成21年分は過渡期で自分で申告しないといけない。22年分は特定口座を選べば、その口座内で証券会社が通算してくれる。今年だけは自分で申告する必要がある。申告しないと損をしてしまう」と忠告する。

 年末調整の対象外なのは医療費控除だ。1年間の医療費が自己負担分で10万円を超えた場合、還付される。しかし、昨年の所得が200万円未満の人は、医療費が10万円以下でも所得の5%を超えれば申告できるので忘れないようにしたい。さらに共働き世帯の場合は、所得が多い人について医療費控除を申請するようにすると、より多くの税金が戻ってくる点も重要なポイントだ。申請には医療費の領収書が必要なため、日ごろから保存するクセをつけておく。

 通院のための交通費も医療費に含まれ、病院の領収書の脇に書いておけば十分だ。市販の薬も医療費として認められる。宝田税理士は「風邪の予防目的のビタミン剤はだめですが、治療目的の風邪薬や頭痛薬などは認められる。レシートに『これは風邪薬』などとメモしておけば大丈夫です」とアドバイスする。

                   ◇

 ■ネットで申告OK

 所得税の確定申告は、16日から3月15日までが受付期間。税務署や特設される申告書作成会場などで相談や申告書の提出を受け付ける。申告書は税務署で入手するほか、国税庁のホームページ(HP)からダウンロードできる。

 また、HP上の「申告書等作成コーナー」で数字を打ち込んで申告書を作成して印刷したり、そのまま電子申告(e−Tax)することもできる。e−Taxでの申告は住民基本台帳カードで電子証明書を受けるなどの事前準備が必要となるが、e−Taxを利用すると最高5000円の控除が受けられる(期間限定で1回限り)。

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自転車で加害者に… 各種保険の「特約」で安心(産経新聞)

 自転車通勤や高速マウンテンバイクが普及する中、自転車が加害者になる事故が増えている。数千万円という高額な損害賠償を求められるケースもあるという。しかし、車と違って保険への意識は低く、加入も「任意」。こうした点から自転車事故をはじめ、暮らしのさまざまな事故やトラブルを広くカバーする保険への注目が高まっている。(日出間和貴)

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 ≪5千万の支払い命令≫

 自転車が加害者になり、高額な賠償額を求められた事例として平成17年11月の横浜地裁判決がある。

 当時、16歳だった女子高生が夜間に携帯電話をかけながら無灯火で走行中、前方を歩いていた看護師の女性と衝突。女性の手足にはしびれが残り、歩行困難となった。横浜地裁は女子高生に5千万円の支払いを命じた。

 警察庁によると、自転車が当事者となった交通事故(平成20年)は全体の21・2%を占め、10年前と比較すると対歩行者の事故は4・5倍に増加。また、死傷者の3割以上が19歳以下だったという。

 こうしたケースを考えると、自転車でも保険で万一に備えておくことが得策だ。損害保険各社が以前、「自転車保険」を単独で扱ってきた例はある。しかし、最近は自動車保険のオプションのほか、住宅総合保険や火災保険、傷害保険の「特約」という形で自転車事故をカバーするプランが大半だ。中には支払限度額1億円という充実した補償や示談交渉サービス付きという商品もある。

 日本損害保険協会(東京都千代田区)によると、「自転車は“交通弱者”みたいな感覚を持つ人が依然多い」という。しかし、ひとたび加害者になると、経済的に手に負えない賠償額を求められるケースも出てくる。同協会は「生活全般の事故に適用されるオールラウンド型保険がおすすめ。家族全員をカバーする商品は使い勝手がよい」とアドバイスする。

 ≪自転車も自賠責?≫

 自動車保険に詳しいジャーナリスト、柳原三佳さんは「これまで自転車に特化した保険に損保各社が熱心でなかったのは、保険料が安いわりに賠償額が高いという一面があったから」と分析。そのうえで、「最近の自転車は高速タイプのものも多く、重大な事故に発展する危険性がある。法律上、自動車と同じレーンを走ることを考慮すれば、自転車も車の自賠責のような強制型の保険にするべき」と指摘する。

 しかし、自転車はだれもが自由に公道を走行できる特殊性があり、「強制保険での扱いは難しい」(国土交通省自動車交通局保障課)のが現状という。

 JA共済連(港区)は昨年、自転車が被害者を生む意識を根付かせようと教育DVDを制作、全国の中学・高校に配布した。このビデオがユニークなのは「自転車=加害者」という視点で作られている点だ。「自転車が加害者になる恐ろしい現実を初めて知る生徒が多い」(同共済連)という。

 日常生活で起こりうる事故を保険でどうカバーするか。家族で熟考するテーマといえそうだ。

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 ■原則車道を通行

 自転車は道路交通法上、「軽車両」の扱いのため車道を通行するのが原則だ。ただし、自転車を押しているときは歩行者扱いになる。例外的に歩道を走ることができるのは「自転車通行可」の道路標識があるケースだが、歩道ではあくまで歩行者が優先となるため徐行が求められる。また、自転車の酒酔い運転は道交法で禁じられ、罰則(5年以下の懲役または100万円以下の罰金)もある。しかし、車の飲酒運転と違って必ずしも徹底されていないのが現実で、法の適用にあいまいな部分を残す。

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